鯱バスが保有する三菱ふそうエアロエース。
名古屋市南区に本社を置く事業者で、古くからのバスファン諸氏においては“東急鯱バス”の商号でバス事業を展開していたことで知られるのが鯱バスです。
鯱バスは1953年に中部観光自動車として創業したのが始まりで、1965年に東京急行電鉄が買収して東急鯱バスに社名変更して観光バス事業のほか新日鐵住金(旧新日本製鐵)名古屋製鐵所の従業員送迎を柱とした特定輸送を展開していました。のち2009年10月に東京急行電鉄グループから離脱して現商号に改められ名古屋市南区の本社を拠点にバス45台で観光バス事業を展開するほか、愛知県東海市を拠点にバス39台で新日鐵住金名古屋製鐵所の従業員輸送を柱とした特定輸送を展開しています。
また保有車両は三菱ふそう車でほぼ統一されていましたが、近年は貸切車・特定輸送車ともに日野車の導入も進んでいます。
3569は2015年11月に2台が導入されたエアロエースで、本記事投稿時点で鯱バスにおける三菱ふそう車の最新のクルマの1台となります。
車両仕様は2015年7月実施の一部改良モデルの標準仕様を選択しており、側窓は熱線吸収濃色ガラスを装備、冷房装置はデンソー製の天井搭載型エンジン直結式を選択しています。
また側面車体裾部のリフレクター(反射板)は標準装備の円型ではなく角型のリフレクターを装備しています。
車内は補助席込み11列53人乗りで、後部回転シートは非装備としています。
カラーデザインはアイボリーとロイヤルブルーのツートンカラーで、このカラーデザインは名古屋市出身の画家:杉本健吉画伯によるデザインが継続採用されています。
また鯱バスの貸切車両には小説家:吉川英治氏の代表作「新書太閤記」に登場する人物名が名古屋城のシンボル:金の鯱鉾のレリーフとともに記されており、3569は仁王丸と命名されています。
3569は本社営業所に配置され、自社のバスツアー“鯱バスツアー”をはじめ、一般貸切で稼働しています。
<掲載車両データ>
車種・型式:三菱ふそうQTG-MS96VP
初度登録年式:2015年
配置営業所:本社営業所
撮影場所:西柳公園西交差点