三重交通が保有するいすゞLV7系ハイデッカー。
三重交通のいすゞのA特急車は現在は初代ガーラ(ガーラ2000を含む)と2代目ガーラの2車種が主力を成していますが、かつてのいすゞのA特急車の主力車の中から1台を紹介します。
5912はKC-LV7系ハイデッカーで、1996年に2回に分けて5911~5917の7台が導入されました。
三重交通では三重交通グループホールディングス傘下に属する企業の中にいすゞ自動車の地元販社である三重いすゞ自動車が含まれていることから保有車両の6割をいすゞ車で占めていますが、一般路線車・貸切車が純正ボディ架装車と富士重工業製ボディ架装車を並行導入していたのに対し、A特急車については富士重工業製ボディ架装車のみの導入とされていました。
架装ボディは富士重工業製の観光バス用ボディ:17型Mボディで、KC-車への移行に際してマイナーチェンジが実施されており、異形角形2灯式ヘッドランプを組み込んだフロントマスクに変更されたほか、リヤマスクはエンジンルームリッドパネルの1枚化とテールランプの低位置化が実施されました。
A特急用という用途から前扉は折戸を選択、側窓は左側第1窓がT字窓(上部に方向幕を組み込み)としているほかは大型引き違い窓を装備しています。
車内は補助席込み12列60人乗りと収容力を重視しています。
5912は新製当初桑名営業所に配置され名古屋-西桑名ネオポリス・大山田団地間高速バスで運用、のち四日市営業所へ転属して名古屋-桜台間高速バスで運用、さらに生桑研修所へ再転属して新人乗務員の現車教習車として運用されましたが、2009年夏に志摩営業所へ転属し現在は特定輸送で稼働しています。
なお三重交通の富士重工業製ボディ架装のいすゞのA特急車は本グループの7台が最終導入となりました。
<掲載車両データ>
車種・型式:いすゞKC-LV781R
初度登録年式:1996年
社番:5912
配置営業所:志摩営業所
撮影場所:伊勢市駅西交差点