Quantcast
Channel: ケーエヌ トランスのバス&鉄ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 513

名鉄の2017年度新車導入に伴う車両の動き その2

$
0
0
こん**は。名鉄では2017年3月29日付プレスリリースにおいて、2017年度の設備投資計画を発表、その中でサービス改善工事の一環として車両14両を新製投入することを発表しましたが、2017年度の新車14両が2017年7月中旬までに出揃いましたので2017年度新車導入に伴う車両の動きと題して2回に分けて紹介しています。最終回は在来車両の動きについて紹介します。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  ・2017年度の廃車

 2017年度新車導入に伴う代替廃車は14両で、当初は1976年に“明日の通勤車”として登場した6000系のうち、特別整備工事未施工車の中から2017年に検査回帰を迎える4連2編成と2連3編成が廃車となる計画とされていました。ところが廃車計画の見直しにより6000系4連2編成と2連1編成が定期検査を通して残留することになった一方で思わぬ車両系列に初の廃車が発生するなどの動きがありました。

  1:5700系に初の廃車が発生

 名鉄で初の高性能車として1955年に登場した初代5000系と1957年に登場した5200系の置き換え用として1986年から1989年にかけて3次に亘り24両が新製投入された“セミパノラマカー”5700系に初の廃車が発生しました。
 5700系で初の廃車となったのは1986年製1次車の5702Fと、1989年製3次車の一部車両で先頭車化改造を実施、3次車のみで4連1編成を組成した5601Fの2編成で、いずれも2017年6月16日で運用離脱となりました。
 2017年度新製3代目3300系2編成の新製投入の見返りによる代替廃車は当初2017年に検査回帰を迎える6000系6次車の6028F・6030Fの2編成が廃車になるものとみられていました。
 しかし、本線系の通勤車で唯一の2扉車であることから乗降性に難があり、使い勝手が悪いことや将来的に主要駅でホームドアの導入が計画されていることから5300系・5700系の淘汰を最優先に推進することとなった模様です。
 5702Fの最終営業運行は2017年6月16日で、この日は犬山線岩倉出庫~犬山線岩倉入庫の通称“SR岩倉ループ運用”に充当され、同日の犬山線~名古屋本線2290レ(犬山21:25発→豊明22:47着)が5702Fの最終営業運行となりました。そして2209レの豊明到着後は犬山検査場豊明検車支区へ入庫、翌2017年6月17日の日中に廃車準備のため舞木検査場へ向けて廃車回送されました。
 一方“異端児”5601Fの最終営業運行は2017年6月16日で河和線河和出庫~河和線6681Cレ(河和6:11発→富貴6:18着)から営業運行に入り河和線富貴-河和間を1往復半したのち知多新線722レ(富貴7:18発→内海7:34着)に充当、内海から知多新線~河和線~常滑線~名古屋本線~津島線~尾西線941Aレ(内海7:52発→佐屋9:36着)に充当、941Aレの折り返しとなる尾西線~津島線962レ(佐屋9:40発→須ヶ口10:02着)が5601Fの最終営業運行となりました。そして962レの須ヶ口到着後は犬山検査場新川検車支区へ入庫、同日午後廃車準備のために舞木検査場へ向けて廃車回送されました。
 なお5601Fの運用離脱により5700系のうち4両のみの存在であった1989年製3次車は全廃となり、モ5650形・ク5600形・サ5600形の3形式が形式消滅となりました。
イメージ 1
↑5700系で初の廃車となった5702F。2017年6月26日付で廃車となった。なお5702Fは新製当初4連で運用、1989年に3次車2両を組み込み6連化されたが、2008年秋に再度4連化されていた。
                                   5700系5702F 2017年6月11日 河和線南加木屋
イメージ 2
イメージ 3
↑5700系の“異端児”5601Fも2017年6月16日で運用離脱となった。5601Fは5701F・5702Fの6連化に際して1989年に中間車のみ4両が新製された3次車で、2008年秋の組成変更で余剰となりサ5601・モ5652の2両に先頭車化改造を実施して3次車のみで4連を組成していた。
             5700系5601F 2017年6月4日 犬山線下小田井/2017年6月11日 河和線巽ヶ丘

  2:5300系2連口 全廃

 名鉄で初の高性能車として1955年に登場した初代5000系・1957年に登場した5200系の主要機器・台車と1986年に登場した5700系類似の冷房付き新製車体を組み合わせて1986年から1988年にかけて3次に亘り42両が新製された機器流用車の5300系で、唯一残存していた2連口の最後の1編成であった5309Fが廃車となりました。
 5300系は1986年7月から8月にかけて1次車として4連4編成16両が新製投入、続く1986年11月から12月にかけて2次車として18両が新製投入されましたが、2次車では5300系・5700系グループで初の2連組成車1編成が登場、1987年11月には最終増備車となる3次車として2連4編成8両が登場し、4連8編成と2連5編成の陣容となりました。
 うち2連口については2009年11月に3次車の5312F・5313Fの2編成が、2011年3月26日実施のダイヤ改正で5300系2連口の定期運用が消滅しやはり3次車の5310F・5311Fの2編成がそれぞれ廃車(これで5300系3次車は全廃となる)となったため5309Fが予備車として残存していました。
 5309Fは予備車となっていたため営業運転に入る機会が限られており、名古屋本線茶所出庫~名古屋本線茶所入庫の通称“1800系茶所ループ運用”に不定期で充当されたほか、機能維持を兼ねて時折各務原線・広見線のローカル運用に充当されることもありましたが、3150系7次車の新製投入に伴い運用離脱、廃車されることとなりました。
 5309Fの最終営業運行は2017年6月8日で、この日の犬山線~名古屋本線1390レ(犬山12:25発→東岡崎14:28着)の前併結で運用に入りましたが、これが5309Fの最終営業運行となりました。そして1390レの東岡崎到着後は切り離された上で臨時回送列車となって舞木検査場に向けて廃車回送されました。
 なお5309Fの運用離脱により5300系の2連口は全廃となりました。
イメージ 4
イメージ 5
↑2017年6月8日で運用離脱となり、2017年6月26日付で廃車となった5300系5309F。2011年3月26日実施のダイヤ改正で5300系2連口の定期運用が消滅したため営業運転に入る機会は限定的なものとなり、撮影者泣かせかつ乗り鉄泣かせの1編成となっていた。
            5300系5309F 2015年6月7日 名古屋本線茶所/2017年5月6日 名古屋本線大里

  3:6000系中期車2連口非ワンマン車 全廃/6000系後期車に初の廃車発生

 1976年に“明日の通勤車”として登場した6000系で、中期車(5次車~8次車)2連口で唯一の非ワンマン車であった6019Fが2017年6月16日で運用離脱、引退となりました。
 6019Fは1980年製5次車で新製当初は4連で運用されていましたが、1996年に瀬戸線へ転属した6000系を4連貫通編成へ組成変更することとなり、当時4連で運用されていた6019Fのほか同じ5次車の6020F・6021F、8次車の6039F~6041Fの6編成から中間車を供出、2連化されました。
 のち2001年10月1日の三河線知立-猿投間のワンマン運転開始に際して6000系中期車で4連から2連に組成変更された編成の多くがワンマン化改造を受ける中、6019Fだけはワンマン化改造を受けることなく本線系で活躍を続けてきました。
 そして2017年度の設備投資計画において2017年度に3150系2連3編成の新製投入が発表されたことで2017年に検査回帰を迎える6019Fの引退が急浮上、その動向が注目されていましたが、2017年5月下旬にミューチケットカード第42弾として6019Fの引退を記念したミューチケットカード42の発売が公表されたことで引退が確報となりました。
 名鉄では6019Fの引退惜別イベントとして2017年6月1日から6月16日まで2種類の惜別ヘッドマークを掲出して運行されたほか、6月1日から豊橋(改札外出札係員窓口で発売)・伊奈両駅と名鉄名古屋駅サービスセンターにて前述のミューチケットカード42が300枚限定で発売(ただし、発売初日に完売)されました。
 また6000系の最終増備車として1985年に2連4編成が新製された10次車の6051Fも2017年6月16日で運用離脱、引退となりました。
 6000系10次車は6000系で後期車に属するグループで、6500系類似の車体を持ち、その前面形状から“鉄仮面”の異名をとっていました。
 登場以来本線系で活躍していましたが、2017年に検査回帰を迎えることと3150系7次車の新製投入に伴い運用離脱、引退となりました。
 6019Fと6051Fの最終営業運行は2017年6月16日で、両編成併結の4連(ト6019F+6051Fキ)で各務原線名鉄岐阜出庫~各務原線~広見線552レ(名鉄岐阜5:29発→新可児6:15着/広見線内553レとして運転)から運用に入り、553レの後運用となる広見線~犬山線~西尾線3772レ(新可児6:18発→吉良吉田8:26着)の西尾到着場面で6051Fを開放、6051Fは857レ(西尾8:34発→新安城8:58着)に充当、一方6019Fは3772レの折り返しとなる西尾線859レ(吉良吉田8:36発→新安城9:10着)に充当され、859レの新安城到着場面で6019Fと6051Fが併結、ト6051F+6019Fキの組成で西尾線~名古屋本線~津島線~尾西線の直通急行運用に充当され、同日の尾西線~津島線~名古屋本線1840レ(弥富17:19発→豊明18:32着)が6019Fと6051Fの最終営業運行となりました。そして1840レの豊明到着後は廃車準備のため臨時回送列車となって舞木検査場へ向けて廃車回送されました。
 なお6019Fの運用離脱により6000系中期車2連口非ワンマン車は全廃となったほか、6000系後期車で初の廃車が発生しました。
イメージ 6
↑6000系中期車2連口で唯一の非ワンマン車であった6019Fも2017年6月16日で運用離脱、2017年7月10日付で廃車となった。6019Fの引退で1980年製5次車は三河線ワンマン仕様車の6020F・6021Fの2編成を残すのみとなったが、6020F・6021Fともに2016年度に大規模修繕工事が施工され、行先表示装置のフルカラーLED化が実施されたため6000系5次車の方向幕車は全廃となった。  
                                    6000系6019F 2015年7月18日 各務原線田神
イメージ 7
↑“鉄仮面”の異名をとる6000系後期車で初の廃車となった10次車の6051F。なお当初の廃車計画では6051Fのほか2017年に検査回帰を迎える6049Fも廃車対象とされていたが、検査を通すことで延命することとなり同じ10次車で明暗が分かれる結果となった。      6000系6051F 2017年6月3日 犬山線新鵜沼

  4:5700系5702F・5300系5309F・6000系6019F・6051F 廃車解体される

 2017年度新車導入に伴い5700系8両・5300系2両・6000系4両が2017年6月16日で運用離脱となりましたが、運用離脱車両のうち5700系5702Fと5300系5309Fの2編成が2017年6月26日未明に常滑線大江まで回送、同日午前中に築港線名電築港貨物駅へ搬入、また6000系6019Fと6051Fの2編成が2017年7月10日未明に常滑線大江まで回送、同日午前中に名電築港貨物駅へ搬入され、解体されました。
 5702Fは2017年6月16日で、5309Fは2017年6月8日でそれぞれ運用離脱となり舞木検査場へ廃車回送されましたが、2017年6月20日から廃車準備が開始されました。
 この廃車準備では再利用できる部品の取り外しと車体外板の車両番号切抜き文字の撤去を実施、また連結面間の引き通し線(電纜)とエアーホース3管(直通管・元溜め管・自動管)が切断されたため自力走行が不可能となり名電築港貨物駅への廃車回送はEL120形のプッシュプル牽引で2017年6月25日の最終列車通過後(=2017年6月26日未明)に舞木検査場を出場、舞木検査場-本宿-金山-大江と回送、同日午前中の築港線の運行終了を待って大江-東名古屋港と回送され東名古屋港からは名鉄保有のロコトラックの牽引で名電築港貨物駅へ搬入されました。
 名電築港貨物駅へ搬入された5702Fと5309Fは直ちに大型クレーンで車体と台車が分離され解体スペースへ据え付けられました。そして搬入翌日の2017年6月27日から各車とも車体中央部を境に車体を切断、大型トラックに載せられて名電築港貨物駅から搬出、名古屋市近郊の金属リサイクル工場へ陸送され解体されました。
 また6000系6019Fと6051Fの2編成は2017年6月16日で運用離脱となり舞木検査場へ廃車回送されましたが、2017年7月5日から廃車準備が開始されました。
 ここでも廃車準備で再利用できる部品の取り外しと車体外販の車両番号の切抜き文字の撤去を実施、また連結面間の引き通し線(電纜)とエアーホース3管(直通管・元溜め管・自動管)が切断されたため自力走行が不可能となり、名電築港貨物駅への廃車回送はEL120形のプッシュプル牽引で2017年7月9日の最終列車通過後(=2017年7月10日未明)に舞木検査場を出場、舞木検査場-本宿-金山-大江と回送、同日午前中の築港線の運行終了を待って大江-東名古屋港と回送され東名古屋港から名鉄保有のロコトラックの牽引で名電築港貨物駅へ搬入されました。
 名電築港貨物駅へ搬入された6019Fと6051Fは直ちに大型クレーンで車体と台車が分離され解体スペースへ据え付けられました。そして搬入翌日の2017年7月11日から各車とも車体中央部を境に車体を切断、大型トラックに載せられて名電築港貨物駅から搬出、名古屋市近郊の金属リサイクル工場へ陸送され解体されました。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 513

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>