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JR東海キハ40系の各種改造工事について

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ここからはJR東海のキハ40系に施工された各種改造工事について紹介していきます。

エンジンの直噴化改造 キハ40系は登場当初DMF15HSAを搭載していたが、燃費向上を企図して国鉄時代末期から直噴化改造が実施された。

冷房改造 ローカル列車の冷房化を進めるため1988年度から冷房改造を実施した。冷房改造は1988年7月にキハ48 511とキハ48 1516の2両にサブエンジン式冷房装置を搭載する方式で施工したが、車内の冷風吹き出し口は2種類が用意され比較検討が行われた。
 キハ48 511は車内天井部にクーリングユニットを4基千鳥配置する方式、キハ48 1516は天井中央部に冷風ダクトを引き通す方式をそれぞれ採用した。またキハ48 1516は冷風ダクトと競合するベンチレーター2基が撤去された。
 その後1989年度からキハ47形・キハ48形を対象とした冷房改造が開始されたが、キハ48 511で試用された方式が採用され、1991年度に完了した。
 一方キハ40形は1989年度に伊勢運転所配置車6両を対象にエンジン換装(後述)と同時施工で冷房改造が実施された。こちらは屋根上にインバータクーラー:C-AU711D型を2基搭載、天井中央部に冷風ダクトを引き通す方式で、冷房電源としてはエンジンに直結した充電発電機からDC600Vを得る方式とした。
 また美濃太田運輸区配置のキハ40形は1990年度から冷房改造が実施されたが、こちらはキハ47形・キハ48形と同様サブエンジン式冷房装置を搭載する方式で冷房改造が実施された。

塗装変更 JR東海のキハ40系は全車朱色5号一色塗りで使用されていたが、1988年11月に全般検査を実施したキハ48 528ではアイボリーにオレンジとグリーンの“湘南色”の帯を入れたいわゆる“JR東海色”に塗装変更された。その後1989年度から全般検査施工時に塗装変更が順次実施され、1991年8月に全般検査を受けたキハ40 2057を最後に塗装変更が完了した。
 なおキハ48形の車端部手すり部分は塗装変更第1号車のキハ48 528ではアイボリー一色塗りで出場したが、1989年度以降の塗装変更車では車端部手すり部分にも“湘南色”の帯が入れられた。その後1992年度以降の全般検査施工車では車端部手すり部分の塗装が再びアイボリー一色塗りに変更、併せて愛称名札差し・駆動機関用吸気口についてもアイボリー一色塗りに変更された。
 また台車は黒一色塗りであったが、1992年3月に全般検査を受けたキハ48 1528からは台車がグレー一色塗りに変更され、最終的に59両全車で台車のグレー一色塗り化が実施された。

エンジン換装 JR東海のキハ40系は前述の通りオリジナルのDMF15HSAの直噴化改造を実施していたが、加速性能向上と走行性能向上を図るべく1989年度からエンジン換装が段階的に実施された。
 エンジン換装の第1陣は1989年度に伊勢運転所配置のキハ40形2000番代車6両を対象に実施された。エンジンは特急型ディーゼルカー:キハ85系で採用されたC-DMF14HZ(350PS/2000rpm)に換装、併せて液体変速機はオリジナルのDW10から直結2段式のC-DW14Aへ換装、前述の通りインバータクーラーを使用した冷房改造も合わせて実施され車号は元番号+3000に改番、キハ40形5000番代車とした。
 続いて1991年度には武豊線のワンマン化(後述)に際してキハ48形500番代車5両に対してC-DMF14HZ+C-DW14Aへの換装が実施され、車号は元番号+3000に改番され、キハ48形3500番代車とした。
 その後1995年度から残る48両についてエンジン換装が実施されたが、1995年度からの施工分では快速“みえ”用として登場したキハ75系で採用したC-DMF14HZB(350PS/2000rpm)へ換装、液体変速機はC-DW14Aへ換装、1999年度に全59両のエンジン換装が完了した。
 なおエンジン換装に合わせて全車2-4位側の駆動機関用吸気口と1-3位側/2-4位側の給水口が撤去されたほか、1995年度からの施工分では2-4位側の新鮮外気導入口も撤去された。

ワンマン化改造 JR東海のキハ40系のワンマン化改造は1991年度にキハ40 2057・2112の2両に施工されたのが最初で、改造内容は乗務員室仕切戸の改造・背面仕切窓新設・車内確認用ルームミラー新設・デットマン装置新設・戸閉回路変更・自動放送装置新設・自動両替機能付運賃箱新設・整理券発行機新設が実施された。
 その後1992年10月から武豊線でワンマン運転が開始されたが、武豊線でのワンマン運転開始用として1992年度にキハ48形10両とキハ40形1両にワンマン化改造が実施された。改造内容は1991年度改造車2両に準じるが、客扉付近に車外スピーカーが新設されたほか、前面窓ガラスは熱線入りガラスに交換の上電熱式デフロスタを撤去、また車内に運賃表示器が新設されたほか、キハ48形10両については客室とデッキの仕切壁が撤去された。
 さらに高山線美濃太田-高山間のワンマン化(1999年12月4日から)・紀勢線多気-新宮間のワンマン化(2001年3月3日から)・高山線高山-猪谷間のワンマン化(2003年10月1日から)に対応するため1999年度から2003年度に追加改造が実施され、最終的にキハ40形8両とキハ48形35両にワンマン化改造が実施された。
 なお高山線美濃太田-高山間のワンマン化に際して冬季における車内保温対策として戸閉回路の改造が実施され、押ボタン式半自動化が実施されドア開閉用押しボタンが新設されたほか、キハ40形8両では1-3位側のジャンパ連結器をKE53形2基からKE94形1基に交換されたほか、キハ48形では1-3位側連結面のジャンパ連結器についてKE53形2基からKE94形1基に交換した。

車号整理 JR東海のキハ40系は搭載エンジンの相違やワンマン化施工の有無などで車両仕様が複雑化した。そこで1999年度から2000年度にかけて車号整理が実施された。
 番台区分ではC-DMF14HZを搭載した車両は3000番代、C-DMF14HZBを搭載したものは5000番代とし、寒冷地仕様車はプラス500番代、ワンマン化改造を施工した車両はプラス300番代とし、車号の下2桁は元番号の順番で01から付番した。このため一部の番台区分を除き欠番が生じた。

ATSの改良 JR東海のキハ40系のATSはATS-S型を搭載していたが、2度にわたるATSの改良が実施された。
 まず1991年度にはATS-S型をベースに即時停止機能と時素式速度照査機能を付加したATS-ST型が導入され、車体表記は“ST”に変更された。
 続いて2010年度からはパターン型速度照査機能を付加したATS-PT型が導入された。ATS-PT型の導入に際して車上装置の取り付けが必要となり2010年度から2012年度にかけて全般検査併施でATS-PT型車上装置が取り付けられた。ATS-PT型の車上装置は2-4位側前位寄り台車直後に搭載されたほか、床下にATS-PT型用車上子が、後位寄り台車に速度発電機が、運転台計器板上部にATS-PT型車上表示器がそれぞれ新設された。
 なおATS-PT型の使用開始に伴いATS-ST型はATS-PT型が動作できない場合に備えてST型絶対停止を残して地上設備が撤去されたが、車両側ではATS-ST・ATS-PT併設のまま存置とされた。

その他 トイレについては全車汚物処理装置非搭載で竣工したが、黄害対策として1995年度から全般検査併施で汚物処理装置の取り付けが実施された。
 ・側窓はキハ47形とキハ40形暖地向け仕様車が2段上昇式、キハ48形とキハ40形寒冷地仕様車が上段下降・下段上昇の2段窓を装備していたが、1992年度に全車下段窓の固定化が実施され、下段窓開閉用つまみが撤去された。
 ・灰皿は全車装備していたが、1994年3月のダイヤ改正時にローカル列車の完全禁煙化が実施されたため全車撤去された。

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