ここからはJR東海に在籍したキハ40系の全番台区分について紹介していきます。JR東海のキハ40系は国鉄からキハ40形14両、キハ47形5両、キハ48形40両の計59両が承継、その後実施されたエンジン換装やワンマン化改造などで車両仕様が複雑化し、3形式で全16種の番台区分が存在しました。
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キハ40形3000番代は当時伊勢運転所に配置されていたキハ40形2000番代車に対してエンジン・液体変速機換装とインバータクーラーを使用した冷房改造を実施したグループで、1989年度から1990年度にかけて6両が改造されました。
エンジンはカミンズ製のC-DMF14HZ(350PS/2,000rpm)へ換装、併せて液体変速機は直結2段式のC-DW14Aへ換装し、加速性能の向上と走行性能の向上が図られました。
なおブレーキ装置については在来車両との併結に対応するため、CLE空気ブレーキのままとされました。
冷房改造は能力16,000kcal/hのインバータクーラー:C-AU711Dを屋根上に2基搭載する方式で行われ、車内天井中央部に冷風ダクトを設置、ダクトから冷風を吹き出す方式としました。
また冷房用電源としてはエンジンに直結した充電発電機からDC600Vを得る方式としました。
本グループの車番は元番号に3000をプラスし、キハ40形5000番代としましたが2000年度に車番整理と改番が実施され、キハ40形3000番代へ改番されました。改番履歴は下記の通りです。
・キハ40 2030→キハ40 5030→キハ40 3001
・キハ40 2031→キハ40 5031→キハ40 3002
・キハ40 2032→キハ40 5032→キハ40 3003
・キハ40 2058→キハ40 5058→キハ40 3005
・キハ40 2129→キハ40 5129→キハ40 3010
なおキハ40 3001~3003の3両はJR西日本のロングシート化改造車と番台区分・車番が重複していました。
キハ40形3000番代車は5両全車が伊勢車両区に配置、2011年6月に全般検査を実施したキハ40 3005では旧国鉄一般型気動車標準色風塗装へ変更されましたが、2015年7月13日をもってそのキハ40 3005が運用から離脱、2015年7月31日付で廃車となったため現有車は4両となりました。
↑キハ40 3005 当車は2011年6月に実施された全般検査時に旧国鉄標準型気動車色風塗装へ変更されました。当車は2015年7月13日で運用離脱、2015年7月31日付で廃車となりました。
2015年5月31日 紀勢線津/2015年5月23日 紀勢線津
↑キハ40 3010 当車はキハ40 2129として美濃太田機関区に新製配置、1989年3月に伊勢運転所へ転属しており、前面方向幕左側には棒状の列車無線アンテナを差し込むための台座がそのまま残されていました。
2015年5月23日 紀勢線津/2015年5月24日 紀勢線津
一方キハ40形3300番代車は1番代区分1両のみの在籍で、キハ40形5000番代でただ1両のみワンマン化改造を受けたキハ40 5059を1999年度に改番したものとなります。改番に合わせて戸閉回路の変更と電気式半自動ドア化が実施され、戸袋付近にドア開閉用押しボタンが新設されたほか、1-3位側のジャンパ連結器がKE53形2基からKE93形1基に交換されており、1位側前面にはKE93型栓納めが追設されました。
改番当初は美濃太田運輸区に配置されて高山線・太多線で運用されていましたが、2000年3月に伊勢運輸区へ転出しています。
なおキハ40 3300番代車は2015年度首時点で予備車となっているため営業運転に入る機会は限定的なものとなっており、撮影者泣かせの1両となっています。改番履歴は下記の通りです。
・キハ40 2059→キハ40 5059→キハ40 3306